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  • 執筆者の写真Shigehiro Kuraku

メダカNBRP



当研究室で、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)として、メダカのゲノム情報の整備とユーザーへの利用を促進しています。分担として加わって1年目の成果となります既存情報を集積したウェブサーバの公開にあわせ、来週幕張で行われます第45回日本分子生物学会年会において、これを手掛けてきましたポスドクの矢倉さんがポスター発表を行います(下記に要旨)。発表時間は初日11/30の14:30~16:30となっています。


とくに実験研究者に活用していただきたいウェブサーバになるよう、開発を進めてきました。メダカの遺伝子情報をご利用の方や他生物でこういった情報公開のニーズをお持ちの方はぜひお越しください。意見交換させていただけますと幸いです。





[1P-287]

MedakaBase:メダカの包括的かつよりユーザー志向なオミクスリソース提供をめざして

MedakaBase: more comprehensive and versatile omics resource gateway for medaka fish


矢倉 勝1、安齋 賢2、谷澤 靖洋3,4、中村 保一3,4、成瀬 清5、工樂 樹洋1,4


所属

1 国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系 分子生命史研究室

2 東北大学大学院 生命科学研究科 脳生命統御科学専攻

3 国立遺伝学研究所 情報研究系 大量遺伝情報研究室

4 総合研究大学院大学大学院 生命科学研究科 遺伝学専攻

5 基礎生物学研究所 バイオリソース研究室


要旨 メダカOryzias latipesは、100年以上前から硬骨魚の代表的な実験動物として見出され、様々な研究分野で用いられてきた。その基盤となる染色体規模の全ゲノム配列も、現在までにOryzias属4種5系統の全ゲノム配列が読まれ、様々なオミクスデータと共に分子レベルの多くの研究を支えてきた。その一方で、それらの情報は国内外の複数のDBに統合されない形で散在しているうえ、ユーザーコミュニティから信頼を得たゲノムワイドな推定遺伝子セットが存在しないなど、包括的な情報を統合したプラットフォームが存在しなかった。この状況を受け、ナショナルバイオリソースプロジェクト(NBRP)は、2022年度からメダカの既存オミクス情報の利用を促進する体制で再始動することとなり、その目的のために国立遺伝学研究所がプロジェクトに新たに加わった。その中心的なミッションであるオミクス情報公開プラットフォーム整備の一環として、散在した情報を統合し、研究者が利用しやすい形で格納したデータベースMedakaBaseの開発を進めている。現在MedakaBaseでは、上記5系統のゲノム配列上に遺伝子モデル(NCBI、Ensembl)や発現量データを重ねて閲覧できるゲノムブラウザに加え、配列類似性検索や注目したゲノム領域の配列を切り出すツール等が利用可能である。また、900本近く存在するHd-rR系統のunanchored contigを染色体に帰属させ、オミクス解析の基盤となる全ゲノム配列の精度向上を行うため、Hd-rR系統のHiFiロングリードシーケンスによるデータ取得を行っている。さらに、シングルセルゲノミクス解析に向けた環境整備のために、現在使われているEnsemblやNCBIの非翻訳領域が欠失した遺伝子モデルの改善を計画している。

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