遺伝子推定をオーダー
- Shigehiro Kuraku
- 3月26日
- 読了時間: 2分
自分たちでやる必要がなくなったということではありません。自分が、あるいは、他の研究者がNCBIへ登録しリリースされたゲノムアセンブリに付随した遺伝子アノテーションがついていない場合、NCBIへリクエストすることができます。ただし、多様性の高い(動物の場合、血球以外の組織が望まれる)トランスクリプトームデータ(RNA-seqリード in SRA)がすでにNCBIに登録されている場合に限られます。また、着手してもらってから、それなりに時間はかかります。といっても1か月余り、という印象です。
今日時点で、当研究室から登録したトラザメ(Scyliorhinus torazame)のゲノムアセンブリに対する遺伝子推定がいま進行中、ということがNCBIのページに公然と表示されています(下記)。このアセンブリは総研大院生の丹羽大樹さんが進めているプロジェクトに付随したリソースです(参照、プレプリント)。軟骨魚類の性決定に迫るこの研究は、昨夏の日本進化学会での最優秀学生口頭発表賞の対象となったあと、さらに磨き上げたものです。この場を借りてリマインドです。
上に可能と書いたNCBIへのリクエストはこのページのannotation requestというところから。遺伝子推定が進行中の生物種のリストも、この同じページに含まれています。NCBIが真核生物ゲノムに用いている推定パイプラインはEGAPと呼ばれ、各研究者が手元で動かすことができるというEGAPxも提供されています。
論文や学会発表ではあまり取り上げられない、こういったデータベース関係の利用ノウハウを含む多様な話題も、来月開催する研究会「生物多様性のDNA情報学 2025」にて飛び交うとよいな、と思っています。前後してしまいましたが、この会について、また後日このブログで紹介します。

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