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  • 執筆者の写真Shigehiro Kuraku

WBC !!

先日、東京での対面企業セミナーの際に話に出しましたWashoku (和色) BioGenome Consortium(そう、WBC!)について、その精神を文字にしました。同志からの感想をいただいているところですが、あくまでも仮のものとしてここに張り付けておきます。



Washoku(和色)ゲノムコンソーシアム(Washoku BioGenome Consortium、WBC)


DNA解析の進歩は凄まじく、ここ20年で生物学の教科書を大きく書き換えた。なかでも全ゲノムDNA配列情報(以下、「ゲノム情報」と略す)の読み取りの対象は、大腸菌や酵母からヒトや伝統的な実験動物へ、そして野外の多様な生物へとひろがっている。すべての現存の生物種は、同じ時間をかけて進化し生き抜いてきた、それぞれが固有の存在である。ゲノム情報は、生命現象の設計図であるとともに、生物種や個体の来歴の情報を蓄えた、いわば「ログ」であり、生物種が絶滅してしまえば消えてしまう、貴重な進化の所産でもある。言い換えると、ゲノムには、その生物種「らしさ」を決めていて、その生物種の「いま」を映し未来の盛衰を予測するための遺伝情報が含まれている。その情報を読み取って有機的に利用するためには、DNAシークエンサだけではなく、実験室での細かなDNA分子の扱いから、コンピュータでの情報解析まで、多様で洗練されたノウハウが欠かせない。

 本コンソーシアム(WBC)は、この日本でこそ手を打たなければいけない生物種に照準を絞り、ゲノム情報の読み取りを先制的に推進する。わが国日本の里・山・海の恵みや我々日本人の古来からの暮らしを象徴するような、食卓を彩る生物や有用な形質をもつ生物、そして、存続が危ぶまれる生物種に注目する。とくに、食用生物については、不作や不漁といった事態に備えたエビデンスに基づく生産体制のアシストをめざす。必要と気づいてからでは遅いゲノム情報の読み取りには、これまで競争がつきものであったが、ノウハウの醸成と伝承にこだわり、組織や分野を超えた協働によってこれを実現する。



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