新年度近況いろいろ
- Shigehiro Kuraku
- 4月20日
- 読了時間: 2分
3月は中旬に札幌での日本生態学会、そして下旬に相模原の北里大での日本水産学会に参加しました。前者には毎回参加しているわけではありませんが、今回は日本の希少生物のゲノム情報の集積状況について紹介しました(発表スライド; さらに参考、以前の記事)。後者の会では発表はありませんでしたが、最新の話題を追うとともに進行中の共同研究やこれから着手する連携研究についての相談も兼ねて参加しました。
4月に入り、学振特別研究員の八尾晃史さんと、技術補佐員の青野那々子さんが研究室に加入しました。青野さんは次の進路へ進む前に数か月のみ川口茜さんの研究を補佐します。その当の川口茜さんについては2つのおめでたい受賞の朗報があり(文科省若手科学者賞、守田科学研究奨励賞)、そのことは遺伝研ホームページのトップからも辿っていただけます。
当研究室は、今年度から学術変革領域研究A「機動性DNAエレメントと宿主がおりなす生物多様性創出:宿主対応と継世代伝播」において、計画研究「機動性DNAエレメントの分子進化学的解析で迫るゲノム構築原理」を遂行していくことになりました。具体的には、トランスポゾンレパートリを含むゲノム構造の種差に高精度ゲノム配列情報を用いて迫ることにより、ゲノムサイズの増減に対してトランスポゾンレパートリの変動が与える影響とその生物学的な意義を探っていきます。ゲノムサイズがヒトの5倍ほどある種を含むサメ・エイ類の研究は、その題材のひとつです。
これまで進めてきたNBRPメダカ「次世代型メダカバイオリソース整備とその拠点形成(広範なメダカオミクス情報の提供体制の整備)」、そして「水産資源調査・評価推進事業」のうち「国際水産資源動態等調査解析事業」にも引き続き参画し、当研究室独自の分子進化学的見地からのDNA解析のノウハウを生かした研究を進めて行きます。これらに加えて、研究室メンバーそれぞれが代表者となっている研究課題の遂行も後押しします。
今週は研究会を主催することもあり、当研究室なりの春のあわただしさはまだ続きます。

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