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真の「全」ゲノム解析へ
直接海へ漕ぎ出さずとも、ゲノム情報や飼育環境から得られる生体試料は、生命のしくみを理解するための確かなヒントを与えてくれます。我々の興味はいよいよあの「マンタ」にまで及び、今日もお膝元の水槽で生じたサメ胚発生のレアケースに唸っていました。これらの詳細はまたいずれ。 そんなこんなで取り上げるのが遅れましたが、ギンザメ(Teramura et al., DNA Res 2026)やニシオンデンザメ(Yang et al., PNAS 2026)のゲノム解析に続き、当研究室発のエイ2種のゲノム解析の成果を論文として発表しました。 Tracing genome size dynamics in sharks and rays with inclusive sequence analysis by the Squalomix Consortium. Genome Res. Published online: June 16, 2026 まずは論文化の背景から。先行の性染色体解析(Niwa et al., PNAS 2025)では、アカエイ Hemitryg
Shigehiro Kuraku
6月19日


読んで繋ぎ、測る
先日の分子生物学会フォーラムでは、往々にしてどこにも書かれていない技術情報に光をあてました。より滑らかに多様な生物でゲノムワイドな分子レベルの解析が進められることを思い描いて、Biodiversity Genomicsまわりで同じくあまり文字に記されない汎用的かつ重要なことをこれまで敢えて度々発信してきました。網羅できていないと思いますが、それらのうち主なものをまとめて紹介しておきます。中でも、とっかかりとしての敷居の低い記事としては、下記の*印をつけたものを推しておきます。 ゲノムサイズ測定 qPCRプロトコルsQuantGenome 付随した論文(Kadota et al., F1000Res 2023) Hi-Cスキャフォルディング 神戸理研時代に発信したiconHi-C(アイコニック)プロトコル・論文(Kadota et al., 2020) 英語総説 (Yamaguchi et al., Mol Ecol 2021) 日本語総説 (工樂ら, 2023)* Completeness assessment周辺情報...
Shigehiro Kuraku
2025年12月27日


和色ゲノムの技術論
以前のブログ記事 でも触れましたが、来週の分子生物学会年会のフォーラム枠にて、下記の会を開催します。 和色バイオゲノムコンソーシアム の活動にちなんだ集会です。 12月4日(木) 19時15分~20時30分 第13会場(パシフィコ横浜 会議センター 4F「418」) セッション番号:2F-13 セッションタイトル:いま臨むゲノムの景色:「和」の心と匠の技 講演言語:日本語 オーガナイザー:工樂 樹洋(国立遺伝学研究所)、白澤 健太(かずさDNA研究所) 生物多様性ゲノミクスをテーマとする集まりは他にも複数企画されていますが、 4日の夜 にはぜひこちらへお越しください。 川口茜 さん、 川勝泰二 さん、 西原秀典 さんにそれぞれの得意エリアからの話題を提供いただきます。オーガナイザーも少し話します。私自身は、8月に英国Hinxtonのサンガーセンターを訪れたときに仕入れた話題を披露しようと思っています。情報や技術は溢れていますが、どう選べばよいのか、どう評価すればよいのか、というDecision-makingの足しになる手がかりを得て
Shigehiro Kuraku
2025年11月28日


和色な集いを再び分生で
先日 Xでアナウンス しましたが、12月に横浜で開かれます 分子生物学会の年会 にて、 和色バイオゲノムコンソーシアム に関わるフォーラムを開催します。 12月4日(木) 19時15分~20時30分 第13会場(パシフィコ横浜 会議センター 4F「418」)...
Shigehiro Kuraku
2025年7月21日


コアラボ運営を考える
あまり文字に記されないことに触れるというのがこういった媒体の存在意義かもしれません。今日はコアラボ、あるいはコアファシリティ、とも呼ばれたりする、共通基盤技術施設の運営についてです。とくにDNA情報取得や解析を扱う場合の話です。 以下、大事と思われること ・実験系人材と情報系人材の混ぜ合わせ。両方扱う人材の育成。解析相談を受ける際、スタートマテリアル(DNA、RNA、クロマチン)の受入れからすり合わせする場合でも、情報系スタッフが同席するのがよいかもしれない。 ・技術を牽引してきた欧米のコアラボの運営体制やシークエンサベンダーなどとの関わり方をよく知り、とくに現場を訪問し、切り盛りしている人物との継続的なパイプを作る。 ・新製品などの情報がお披露目される場面(国内ではなく本国)は毎年ほぼ決まっている。できるだけ早めに察知し、国内販売元との確認を経て、先の判断に活用する(既存試薬の在庫量調製や新製品試用のプランニング)。それをタイムリーに求めるユーザーの発掘。 ・従事スタッフのインセンティブ管理。雇用形態の改善に反映するのか?論文などの成果物の生産
Shigehiro Kuraku
2025年5月13日


Omics装置世界情勢
技術部門のマネジメントの役割から離れて1年以上経ち、あまりフォローできていないのですが、 NGSスペシャリストを名乗っているAlbert Viellaさん が各社の装置についてスペックやランニングコストをまとめられています。...
Shigehiro Kuraku
2024年5月7日


3' UTRが大事
シングルセル遺伝子発現解析のための簡便なシステムが登場してすでにもう久しく、かなり普及したといってよいのではないでしょうか。しかし、簡便になった分、システムの「クセ」に気を留めずに始める方も少なくないような気がします。ラフですが、「クセ」とその対応の仕方について下に簡単に記...
Shigehiro Kuraku
2023年9月18日


技術の敷居を下げる
いわゆる超並列型DNAシークエンスにもとづく情報取得のためのサンプル調製の難易度を考えたとき、Hi-Cはもっとも難しい部類に入ると思います。キットや丸投げ受託プランもありますが、総じて膨大な費用がかかり、またサンプルに合わせた手順の最適化がしにくいのが実状だと思います。とく...
Shigehiro Kuraku
2021年8月31日
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