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執筆者の写真Shigehiro Kuraku

Squalomix活動報告@MBSJ

更新日:2023年10月18日

来る12月に神戸で開催される分子生物学会年会にて、Late-breaking Abstract (LBA)のポスター発表といいうかたちで、Squalomixコンソーシアムの活動を報告します。


 

ポスター番号:3P-053 発表日時:12月8日(金)13:45~14:45

会 場:ポスター会場 1-1(神戸国際展示場 1号館1階)


Squalomixコンソーシアムによるサメ・エイ類の分子生物学研究:脊椎動物の進化と多様性の成立ちを理解するために

Molecular biology of sharks and rays navigated by Squalomix Consortium: for understanding vertebrate evolution and diversity


要旨

哺乳類のように大型かつ長寿、そして胎生の種を含むなど近年増大する生物学的な興味に事欠かないにもかかわらず、軟骨魚類(サメ・エイ・ギンザメ類)は、分子研究の対象としてはほとんど注目されてこなかった。哺乳類からみて、他の硬骨脊椎動物系統よりも遠縁であることに加えて、ゲノムサイズが大型(多くが4Gb以上)であることがその大きな要因である。この風潮に反して、我々は、2013年頃より、理化学研究所神戸キャンパスを拠点として、脊椎動物の進化と多様性の成立ちを分子レベルで理解する研究を支えるため、サメ類のゲノム・トランスクリプトーム・エピゲノムの集積を進めてきた。この間、ヒトや実験動物の研究で培われた技術を野生生物へ展開することを強く意識して、汎用的なHi-Cデータ取得プロトコル(Kadota et al. GigaScience, 2020)やゲノムアセンブリの品質評価を助けるツール開発(Nishimura et al. Bioinfo, 2017)について発信した。それを生かしてHoxクラスターの奇異な分子進化(Hara et al. Nat Ecol Evol 2018)、そして性染色体の同定やDNA配列に基づく核型進化パターン(Yamaguchi et al. Genome Res. 2023)について調べ、深海での光受容(Yamaguchi et al. PNAS, 2023)ならびに繁殖様式(Ohishi et al. Genome Biol Evol, 2023)についての研究も進めた。現在では、対象をエイやギンザメ類にも拡げ、国内各地の水族館の協力のもと、「Squalomixコンソーシアム」として国際的な生物多様性ゲノミクスの動きと連携し、静岡県三島市の国立遺伝学研究所を拠点として活動している(Nishimura et al. F1000Res, 2022)。本発表では、これまでの活動の成果を紹介するとともに今後の研究の可能性を展望する。


今回、発表者として、以下の方のお名前を含めておりますが、他の多くの方々に協力いただいて活動しております。


山口 和晃(当時、理研BDR)、川口 茜(遺伝研)、宇野 好宣(東大)、門田 満隆(理研BDR)、西村 理(理研BDR)、松本 瑠偉(沖縄美ら海水族館)、喜屋武 樹(海遊館)、加登岡 大希(新江ノ島水族館)、都築 信隆(下田海中水族館)、山内 信弥(アクアマリンふくしま)、山田 一幸(東海大学海洋科学博物館)、兵藤 晋(東大・大気海洋研)、佐藤 圭一(沖縄美ら海水族館)


発表登録カテゴリは以下を選びました。


分野 1-分子 a-ゲノム・遺伝子・核酸 (1-Molecular a-Genome / Gene / Nucleic Acid)

方法 xxii-その他 (xxii-Others)


2023年下半期の工樂の講演等の予定は、こちらの記事にまとめてあります。





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