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執筆者の写真Shigehiro Kuraku

技術の敷居を下げる

更新日:2021年10月6日

いわゆる超並列型DNAシークエンスにもとづく情報取得のためのサンプル調製の難易度を考えたとき、Hi-Cはもっとも難しい部類に入ると思います。キットや丸投げ受託プランもありますが、総じて膨大な費用がかかり、またサンプルに合わせた手順の最適化がしにくいのが実状だと思います。とくに全ゲノム配列情報の改善のためにこのHi-Cを利用する際に助けになる情報をまとめた論文がこちらです。


下記は掲載した図のうちのひとつです。この論文が受理されるまでには、この図の内容を含め、かなりの手直しを行いました。組織の構成やゲノムサイズなど、生物によって異なるファクターが多いために、万能の方法をなかなか見つけにくいという点を査読者にも理解してもらうことが必要でした。



解析の実務は前身の神戸の理研のチームで行いました。実例として、ソメワケササクレヤモリのゲノム情報を改善し、公表しています(ゲノム解析の前段階の詳細はこちら)。爬虫類の中でも意外と他の系統との分岐年代の古いヤモリ科の一種ですが、その科の中で初めての染色体規模のゲノムアセンブリのリリースとなります。


論文中には、出回っているキットや汎用プロトコルの内容を比較してもらえる表も含めています。

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